背縫いの種類と使い分け「二度縫い」「袋縫い」「背伏せ」

綿や麻、ウール、絹など単仕立ての着物を縫う時、どの縫い方で背縫いをするのが良いのか、M KIMONOの基準を紹介します。

背縫いの縫い方は3種類

背縫いの縫い方は3種類。
1. 二度縫い
2. 袋縫い
3. 背伏せを付ける

着物・長襦袢・半襦袢・羽織・コートなど
どんな種類・素材の物も、単仕立ての場合は、この3種類のうちのどれかで背縫いをします。

二度縫い(にどぬい)

二度縫いは、3種類の中で一番簡易的な縫い方です。
生地の耳が見えた状態で仕上がり、耳から1分下の位置と耳から3分下の位置に背縫いをします。

二度縫いで背縫いをする着物はこちら
・浴衣
・半襦袢
・肌襦袢
・綿・麻・ウール素材の単着物

袋縫い(ふくろぬい)

二度縫いよりも丁寧な縫い方です。
生地の耳を隠して仕上げる縫い方です。

袋縫いで背縫いをする着物はこちら
・絹の単着物
・長襦袢
・羽織
・コート
・綿・麻・ウール素材で耳が裁ち目になっている物

背伏せ(せぶせ)

背伏せを付ける方法は3種類の中で最も丁寧な縫い方です。
生地の耳を隠すだけでなく、背縫いその物の縫い目も見せずに仕上げます。

背伏せを付けて背縫いをする着物はこちら
・絹の単着物
・背縫いに強度が欲しい着物
・お客様からのリクエストがあった場合

参考資料

二度縫いと袋縫いを図にしました。

14_Types_of_backstitch
14_Types_of_backstitch

まとめ

今回は基本の背縫いの縫い方の基準を紹介しました。上記のように背縫いの縫い方を使い分けていますが、どの着物にどの縫い方をしても間違いではありません。「長襦袢に背伏せを付けて欲しい」というリクエストもありますし、「道行コートに共布で背伏せを付けてほしい」というリクエストもあります。また「訪問着でも単は全て袋縫いで仕立ててください」というリクエストもあります。自分が良いなと思う方法で背縫いをしてみてください。

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この記事を書いた人

M KIMONO

KOTARO和裁教室が運営する「M KIMONOオンライン和裁教」です。M KIMONOでは、世界中どこにいても和裁が学べる環境を作ろうと挑戦しています。